eチケット(電子航空券)の使い方!スマホのみで飛行機に乗る方法を解説
2025年09月24日

eチケットとは電子航空券のことで、紙製の航空券に代わるものです。eチケットを使えば「飛行機への新しい乗り方」を体験できるでしょう。
eチケットは日本の空の旅でかなり普及していますが、まだ使ったことがない人もいるのではないでしょうか。そのような人は「紙のチケットを使わないとなんか不安」と感じているのでは。この記事を読めばその不安を消せます。
eチケットの仕組みを解説したうえで、eチケットの使い方や、これを使うメリットを紹介して、主要航空会社のeチケットの具体例を確認していきます。
eチケットとは?仕組みを解説

乗客が飛行機に搭乗するためには、航空会社がその人の個人情報や支払い情報を把握している必要があります。eチケットは、これらの情報を紙ではなくデジタルでやり取りする仕組みです。
搭乗に必要な情報をデジタル化、データ化することで、インターネットやスマホを活用できるようになり、結果としてスムーズで便利な乗り方が実現しました。
紙の航空券との違い
eチケットと従来の紙の航空券(物理的なチケット)の違いを解説します。
紙の航空券では乗客は、
- 物理的なチケットを入手
- それを持って空港に行く
- 紙の航空券を発行
- 乗客に渡す
eチケットなら、これらの計4つの手間が要らなくなります。つまり乗客も航空会社も手間いらずになるのがeチケットのよいところです。
eチケットの仕組み:予約データとeチケット控えの役割
ではeチケットではなぜ4つの手間が不要になるのか。その仕組みを解説します。
乗客がインターネットなどで飛行機を予約すると、その情報がデータ化され航空会社のシステムに登録されます。予約データには氏名、搭乗便、座席、支払い状況などが含まれます。
その後、航空会社は乗客に「eチケット控え」をメールなどで送信します。「eチケット控え」の形式はPDFの場合もありますが、メール本文に記載されることもあります。
ここでのポイントは、eチケット控えは予約情報を確認するためのデジタルな書類にすぎず、搭乗券でも正式な航空券でもないことです。
ではeチケット控えは何かというと、航空会社が乗客の予約データを呼び出すためのものです。
eチケット控えには予約番号やQRコードなどが記載されており、乗客は空港の受付で、予約番号を入力したり、QRコードを自身のスマホに表示したりして、チェックインを行います。乗客はあとは飛行機に乗り込むだけです。
eチケットの使い方と流れ

eチケットの使い方と流れを説明します。先ほど紹介した「eチケットとは? 仕組みと解説」を知っていると、使い方はすぐに理解できるでしょう。
- 予約後メールアドレスにeチケット控えが届く
- 空港でeチケット控えに記載されたQRコードを自動チェックイン機で読み取るか予約番号を自動チェックイン機に入力
- 自動チェックイン機から搭乗券が発行(搭乗券は紙で印刷することも可能)
- スマホまたは紙の搭乗券を使って飛行機に乗り込む
国内線と国際線の違い
国内線のチェックインであれば、予約番号やQRコードといった予約データだけで十分な場合が多く、本人確認書類が求められることはまれです。
一方、国際線ではパスポートの提示が必須で、国によってはビザや渡航証明書が確認されることもあります。
国内線は「予約データのみ」、国際線は「予約データ+パスポート」と覚えておいてください。
eチケットのメリットと注意点

すべての電子化、データ化、IT化が便利なように、航空券を電子化、データ化、IT化したeチケットもとても便利です。
ただし便利になったことで、これまで必要なかった注意が必要になることがあります。
紙の紛失リスクがない安心感
従来の紙の航空券の場合、「その紙」を紛失したら原則その飛行機に乗ることはできません。なぜなら紙の航空券は搭乗券そのものだからです。
例外的に、紙の航空券を再発行してもらえば飛行機に乗れますが、それには相当な手間と時間がかかります。したがって空港で搭乗直前に紙の航空券がなくなったことが判明したら、ほぼ100%その飛行機には乗れません。
しかしeチケットはデータなので、紙の紛失リスクがありません。eチケットを使えば、空港で服のすべてのポケットに手を入れて、カバンの中身をすべて取り出して紙の航空券を探すといったことをしなくてよいのです。
発券・変更手続きの効率化
eチケットなら、メールで受け取ったeチケット控えに記載されている予約番号やQRコードなどを提示するだけで、各種発券や便の変更の手続きを済ますことができます。
旅の効率化にはeチケットは必須といえるでしょう。
注意点:スマホの電池切れを起こさないで、控えの印刷物を忘れないで
eチケットを使うときの注意点を紹介します。
eチケット控えは「スマホのなかにある」状態なので、空港でスマホの電池切れを起こさないようにしましょう。
またスマホを持っていない人は、eチケット控えをパソコンで受け取って、それを紙に印刷しても搭乗手続きに使えます。
コピー用紙にQRコードを印刷しておけば、それを自動チェックイン機に読み込ませることができるのです。したがってeチケット控えを印刷したものを空港に忘れずに持参しましょう。
ただし、空港にスマホとeチケット控えを印刷したものの両方を忘れても飛行機に乗れる方法がありますので、後段の「空港にスマホも控えの印刷物も忘れたときは?」の章で紹介します。
主要航空会社のeチケットの特徴

それでは具体的に航空各社がどのようにeチケットを使っているのかみていきます。
結論を先にいうと、各社のeチケット・システムはほとんど同じです。したがって、ある会社のeチケットを使えたら、他社のものも簡単に使えます。
しかし航空会社によって名称や使い方が多少異なるので、JAL、ANA、スカイマークのeチケットの特徴を確認しておきます。
JALのeチケット
JAL のeチケットは、支払い手段や購入場所に関わらず、発券方法から搭乗までの情報をJALのシステム内に保管しています。
乗客は購入後に、搭乗者や予約便などの情報の控えとして2次元バーコードの「eチケットお客様控え」を利用します。
「eチケットお客様控え」は航空券の権利を確認する情報が記載されたものであり、搭乗手続きや予約変更の際に使います。
「eチケットお客様控え」は、JALグループ国内線カウンターや旅行会社などの購入窓口で渡すほか、Webサイトを経由してパソコンから印刷することができます。また「eチケットお客様控え」は、Webサイトから何度でも取得できます。
空港では「eチケットお客様控え」があると、カウンターや自動チェックイン機への立ち寄りが不要なJALタッチ&ゴーを利用できます。つまりJALタッチ&ゴーを使えば、空港で何もせずに保安検査場に行くことができるのです。
ANAのeチケット:オンライン・チェックイン
ANAのeチケットもJALのそれと同じなので、ここではANAのオンライン・チェックインについて紹介します。オンライン・チェックインはeチケットと連動しています。
オンライン・チェックインは便出発の24時間前から、自宅などの空港以外の場所で簡単に搭乗手続きと搭乗券の発行ができるサービスです。
Eチケットの支払いが完了したらANAアプリを起動して「予約を照会」をタップします。そこに名前、搭乗日、便名、予約番号または確認番号を入力します。次に座席指定をします。
ここまでは便出発の24時間前より前に実施できます。
そして24時間前になると、ANAアプリでチェックインができます。これでモバイル搭乗券(搭乗券のデータ版)が発行されます。モバイル搭乗券はANAアプリに保管できます。
このモバイル搭乗券があればカウンターや自動チェックイン機を使わずに保安検査場に行けます。保安検査場では、スマホにモバイル搭乗券を表示させてタッチすれば通過できます。搭乗口もタッチで通過して飛行機のなかに入ることができます。
スカイマークは厳密にはeチケットではない
スカイマークのシステムは、厳密にはeチケットとは呼べない、という人もいます。
乗客がスカイマークの飛行機を予約すると、公式サイトで予約内容を確認でき、さらにここにチェックイン用バーコードが記載された予約確認書が表示されます。
乗客は空港に到着したら、自身のスマホにチェックイン用バーコードを表示させて、有人カウンターまたは自動チェックイン機で紙製の搭乗券を入手します。
ここで紙を使っているので「厳密にはeチケットではない」とみなす人がいるのですが、しかし公式サイトやスマホを使っているので、少なくとも「IT化された航空券」あるいは「eチケットに似た仕組み」といえるでしょう。
eチケットについてよくある質問

eチケットについてよくある質問に回答します。
eチケット控えを印刷する必要はある?
スマホを使えば必ずしもeチケット控えをコピー用紙などに印刷する必要はありません。
ただし、スマホを使いこなすことに不安がある人や、初めてeチケットを利用する方は、印刷して空港に持参したほうが無難でしょう。eチケット控えの印刷物があれば、空港で航空会社の人に渡して「これで手続きしてください」と任せることができるからです。
予約番号を忘れたときの対応は?
予約番号を忘れても、スマホのなかにeチケット控えのデータがあればそれで搭乗手続きができます。
スマホも忘れたら、航空会社のチェックイン・カウンターに行き、「予約番号もスマホも忘れました」と言えば対処してもらえます。
詳細は次の章の「空港にスマホも控えの印刷物も忘れたときは?」で解説します。
キャンセルや払い戻しの扱いは?
キャンセルや払い戻しもeチケット・システムのなかでできます。手続き内容は原則、紙の航空券のときと同じです。
紙の航空券の場合、それを紛失するとキャンセルも払い戻しも手続きが煩雑になりますが、eチケットではその心配がありません。
空港にスマホも控えの印刷物も忘れたときは?

スマホ、またはeチケット控えを印刷した紙(以下、印刷物)は、eチケットの生命線といえるものです。したがってスマホも印刷物も忘れて空港に行ってしまったら、最悪、飛行機に乗ることはできません。
しかし時間に余裕があれば、スマホと印刷物の両方がなくても搭乗できるでしょう。
チェックイン・カウンターに行く
まずはチェックイン・カウンターに行き、航空会社の人にスマホも印刷物もないことを知らせます。航空会社の人が名前、便名、出発日時を尋ねますので、それに回答してください。航空会社が予約データを検索します。
本人確認書類の提示
予約データが存在すれば、航空会社は乗客に、本人と確認できる書類の提示を求めます。国内線であれば
- 紙運転免許証
- 健康保険証
- マイナンバーカード
搭乗券を発行してもらう
予約データの内容と本人確認書類が一致すれば、航空会社は紙の搭乗券を発行します。これでチェックインと保安検査場の通過、搭乗手続きができるようになります。
飛行機に乗れない場合
ではどのような状態になると、スマホも印刷物もないときに飛行機に乗れなくなるのでしょうか。
それは時間に余裕がないときです。上記の説明で、手続きに時間がかかることがわかると思います。チェックイン・カウンターが乗客でごった返していれば、順番を待つだけで予約した便の飛行機が飛び立ってしまうかもしれません。
eチケットについてのまとめ
飛行機に乗る人がeチケットを使うデメリットは、スマホとインターネットを駆使しなければならないことくらいでしょう。したがって普段からスマホをすいすい使いこなせている人には、eチケットにはメリットしかありません。
メリットは最新のコンピュータ・システムを使っているわけですが、だからといって手数料が取られるわけではなく、それなのに便利機能が満載で飛行機に乗る手続きを大幅に減らしてくれます。
「eチケットなんて自分にはまだ早い」などと考えることなく、ぜひ使ってみてください。実際に使ってみると「え、こんなに便利なの」と感じるでしょう。
