ピーチはなぜ安い?4つのデメリットと失敗しない利用法
2025年10月23日

格安航空会社の代表格であるピーチの魅力は、なんといっても「とにかく安い」こと。
一方、安い理由は「安全に問題があるから?」「デメリットが多いから?」と不安に感じる声もあります。
本記事では、ピーチが安い仕組みと実際のデメリット、さらに快適に利用するための工夫までを整理しました。
利用前に知っておけば「思ったより高くついた」「不便だった」と後悔せずに済みます。
ピーチはなぜ安い?コストカットの秘密

ピーチは2024年度において、就航率(予定通りに運航・到着した飛行機の割合)99.5%、航空事故・重大インシデント0件と、高い安定性・安全性を確保しています。
同時に、格安航空券を扱うLCCでもあり、ANAやJALなどのFSC(フルサービスキャリア)と比較してもリーズナブルな価格が魅力です。
ピーチがどのようにして安全性と安さを両立しているのかを知れば、安心して搭乗できます。
出典:Peach Aviation 株式会社「2024年度 安全報告書」
オンライン化・自動化で人件費を抑えている
ピーチでは、予約やチェックインなどの手続きの多くをオンライン化・自動化しています。
これにより人件費を徹底的に削減し、格安航空券の提供を実現しているのです。
航空券の予約・販売は、基本的に公式サイトやアプリから行います。
有人のコンタクトセンター(電話)や空港カウンターでの予約には、別途で新規予約手数料が必要です。
そのため利用者はオンライン予約を選択しやすく、結果的にスタッフ削減につながります。
ほかにも、自社開発の自動チェックイン機を設置したり、一部の国内線を対象にアプリからのチェックインを導入したりしています。
こうしたオンライン化・自動化によって、スタッフ数を必要以上に増やさずに運営できるため、利用者は低価格で航空券を購入できるのです。
輸送効率を上げてコストを抑えている
ピーチでは、時間厳守や座席数の最大化によって1機あたりの輸送効率を高め、総コストの抑制に取り組んでいます。
例えば、同じエアバスA320でもANAは146席、ピーチは180席です。
その分ピーチのシートピッチ(座席間隔)はANAよりも狭くなりますが、同じ機体でより多くの乗客を運べます。
1機あたりの稼働率を上げるために時間厳守も徹底しており、遅延を防ぐことで損失を回避し、余計なコストを抑えているのです。
設計上可能な範囲での創意工夫や地道なコストカット戦略により、格安航空券の提供を実現しています。
サービスの有料化で運賃を下げている
ピーチでは、JALやANAなどで無料提供されるサービスの多くを有料化することで、基本的な運賃価格を安く抑えています。
機内飲食はすべて有料販売となっているほか、もっとも低価格な「ミニマム」にはオプションサービスが一切ついていません。
受託手荷物や座席指定に至るまで、必要な人だけが追加で料金を払って利用する仕組みです。
サービスを最低限にした上で安く提供しているため、オプションがたくさんあっても結局使わない、いらないという人にとっては非常にマッチします。
燃油サーチャージの加算がない
ピーチの航空券代には燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)が含まれていません。
その分他社よりも総額が安くなるケースが多く、コスパが良いと感じやすいのです。
JALやANAなどの国際線では、航空券代とは別に燃油サーチャージを加算しています。
航路別にどれくらいの燃油サーチャージが加算されるかを比較してみましょう。
| 航空会社 | ピーチ | JAL | ANA |
|---|---|---|---|
| 日本→韓国 | 0円(徴収なし) | 2,000円 | 2,200円 |
| 日本→タイ | 10,500円 | 11,000円 | |
| 日本→シンガポール | 10,500円 | 11,000円 |
2025年8月1日~9月30日発券・購入分までの片道の金額
さらに他社では「航空保険特別料金」を徴収するケースもあります。
JALの場合、日本ー韓国は片道550円の保険料がかかるため、燃油サーチャージ分も合わせると、ピーチとは往復5,100円もの差がつくのです。
燃油サーチャージは燃油価格や為替相場によって変動し、片道1万円以上になることもあるなど、利用者にとっては予想しにくい追加コストといえます。
その点、燃油サーチャージを徴収していないピーチは「わかりやすい上に安い」という大きなメリットがあるのです。
他社との価格差をさらに比較したい方は、格安航空券センターの一括検索が便利です。
ピーチ以外に、JALやスカイマークなどの国内5社の航空券をまとめて比較できます。
最大88%オフの航空券をサクッと探して、お得な旅行を実現しましょう。
ピーチ利用時の注意点やデメリットは?
ピーチは価格が安いというメリットがある反面、サービスに不満を持つ人もいます。
事前にデメリットを把握しておけば対策がたてやすくなるので、チェックしておきましょう。
有料サービスが多い
ピーチで提供しているサービスの多くは有料です。
オプションサービスの追加がかさむと、支払い総額が高くついてしまう可能性があります。
オプションサービス代の違いを運賃プランごとに比べてみましょう。
| オプションサービス | ミニマム | スタンダード | スタンダードプラス |
|---|---|---|---|
| 予約キープ | 300円 | 300円 | 無料 |
| 座席指定 | 800~1,800円 | 無料 | 無料~1,000円 |
| 受託手荷物 | 2,000円(1個あたり) | 1個目:無料
2~5個目:2,000円(1個あたり) |
|
いずれもWebサイトで追加した場合の料金
ミニマムで上記のサービスを追加すると4,100円ほどの追加料金になるため、サービスが運賃に含まれている上位プランを選んだほうが安く済むかもしれません。
これらのオプションサービス以外にも、発券手数料や取消手数料といった細かな手数料も運賃プランごとに変わります。
あとからの追加や変更が多いほど余計な費用がかさみ、安いどころか高くなってしまう恐れがあるでしょう。
座席間隔が狭い
ピーチの国内線で使われる主要機材の座席間隔=シートピッチは約71cm(A320neo)と、他社に比べて狭くなっています。
ANAの約78〜81cm(A321neo、エコノミークラス)、同じLCCのジェットスターの約74cm(A320)に比べても、その差は明らかです。
身長が高い人や足を組むクセがある人は圧迫感を覚えやすい可能性があります。
料金はかかりますが、足元が広めに確保された「ファストエリア」を選択するなど、快適性を高めるためには工夫が不可欠です。
なお、主に国際線で活用されるA321LRは、約76〜81cmのシートピッチで長時間のフライト仕様になっています。
機内Wi-Fiやコンセントがない
ピーチの機内では、機内Wi-Fiやコンセントは利用できません。
A320neoとA321LRにはUSB電源ポートがありますが、従来型のエアバスA320にはないため、充電したい場合はモバイルバッテリーを持参する必要があります。
通常のコンセントや機内Wi-Fiが使えないのは、どの機材でも共通です。
フライト中に動画や音楽を楽しみたい人は事前にダウンロードするほか、コンセントでの充電が必要な機器はバッテリーの残量に注意しましょう。
どの機材に当たるかは、予約時に「使用機材」の欄を見ればわかるので、確認の上で準備してください。

出典:Peach「公式サイト フライト選択」
時間に厳しい
ピーチは「空飛ぶ電車」をコンセプトに掲げており、定刻運航を徹底する姿勢が強い航空会社です。
そのため、搭乗手続きや搭乗口への到着が遅れた場合、わずか数分でも搭乗できなくなるケースがあります。
過去には搭乗口への到着が2分遅れただけで乗れなかった事例もありました。
ピーチが時間厳守を徹底する主な理由は、機材の稼働率の最大化によるコストカットです。
安さを維持するための戦略が、就航率99.5%%という高い運航実績にもつながっているといえます。
ピーチを利用する際は、早く着いて空港で時間をつぶすくらいのスケジュールで行動しましょう。
あらかじめピーチのチェックイン方法を把握しておけば、スムーズに搭乗可能です。
安く快適に!ピーチで失敗しないためのコツ
ピーチの安さとデメリットは密接に関係していますが、双方の裏側や事情を理解しておけば、失敗を防いで上手に活用する方法も見えてきます。
安いメリットはそのまま、デメリットを極力感じないよう利用するコツをまとめました。
自分に合った運賃タイプを選ぶ
ピーチにある3つの運賃から自分に合ったタイプを選ぶことで、安さと快適さのバランスが整いやすくなります。
ここでは独自に3タイプの運賃のおすすめ傾向をまとめました。
| 運賃プラン | おすすめ傾向 |
|---|---|
| ミニマム |
|
| スタンダード |
|
| スタンダードプラス |
|
スタンダードやスタンダードプラスには、基本的な座席指定の料金、受託手荷物1個分の料金が含まれています。
スタンダードは特に使う機会の多いオプションに絞られているため、初めて飛行機に乗る場合にも安心です。
ミニマムは余計なオプションサービスがなく、もっとも安価に利用できます。
快適性の低さ、突発的な予定変更の難しさを理解した上で乗れば、非常にリーズナブルな旅が実現できるでしょう。
自分の旅行スタイルに合ったプランを選ぶことで、総額を抑えつつ快適なフライトに近づきます。
座席の位置にこだわる
シートピッチが狭いピーチで少しでも快適性を高めるコツは、座席の位置にこだわることです。
ピーチの座席エリアや種類ごとに、主な特徴や注意点をまとめました。
| 座席エリア | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| ファストエリア | 足元が広い最前列 | 追加料金1,000円~でスタンダードプラスのみ選べる |
| フロントエリア | 乗り降りしやすい前方帯 | 翼の上の席は景色が見えにくい |
| ミドルエリア | 足元が広い非常口席がある中央帯 | 非常口席に座れる人は条件がある |
| バックエリア | トイレに近い後方帯 | 出入口から遠い |
ファストエリア以外はすべてのプランで指定できます。
スタンダード以上のプランであれば基本的には無料で指定可能(ファストエリア以外)、ミニマムはどの座席も指定料金が必要です。
ファストエリアはスタンダードプラスでしか指定できない上、最前列のわずかな数しかないため、早めの予約をおすすめします。
自分に合う座席を選ぶためにも、ピーチの座席エリアやシートの種類を詳しく知っておきましょう。
機内の暇つぶし対策をしておく
ピーチの機内にはWi-Fiやコンセントがないため、暇つぶしのための事前準備が欠かせません。
以下のポイントを押さえて対策を練ってみましょう。
- 動画や音楽はあらかじめダウンロードしておく
- モバイルバッテリーを準備する
- USB充電コードを持参する(一部機材のみ対応)
- 子供連れの場合は遊び道具を用意する
モバイルバッテリーは預け入れができないため、必ず機内に持ち込んで使用してください。
子供連れの場合は塗り絵やシールブック、折り紙などを持ち込んでおけば、フライト中に遊んで時間をつぶせます。
まとめ:ピーチのデメリットを理解して上手に活用しよう
ピーチは徹底的なコストカットや必要最小限のサービスを提供することで、格安でも安全な空の旅を実現しています。
シートピッチの狭さ・サービスの有料化といったデメリットを事前にわかっておけば、運賃選びや機内の過ごし方への対策をたてることが可能です。
自分に合った安さと快適さのバランスでピーチを活用し、失敗しないお得なフライトに近づけましょう。
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